IELTSって英語のテストってことはわかるけど、どんな試験内容?何のために受験するんだろう?
日本ではあまり馴染みがないけど、海外での生活を考える人には必須級の試験だよ!
日本では英語力証明として、TOEIC・英検が主流ですが、海外では効力をもちません。
そこで、海外留学や移住申請に必要とされるのがIELTS(アイエルツ)です。
この記事は、
- IELTSってどんな試験?
- 受験料はいくら?
- 結果はいつ発表されるの?
- 結果に有効期限は何年?
- 試験内容や試験時間は?
- どんな対策方法がある?
という疑問をすべて解決します。
日本ではまだ馴染みが薄いIELTSですが、英語力4技能の証明ができ、世界通用するテストで海外で就学・就職するには必須。
これからの日本でも英語力証明として有用なテストであること間違いなし!
IELTS(アイエルツ)とは?
IELTS(アイエルツ)は、International English Language Testing System)の略。
英語を使う4つのスキル(書く・読む・聞く・話す)を評価する試験で、各セクション0.5刻み、9.0点満点のスコアで表されます。
ペーパー試験(記述式)とコンピューターで受験する方法がありますが、スピーキングはどちらも対面式。
コンピューターベースのIELTSについて知りたい方は以下の記事からチェックしてみてください。
IELTSは世界140か国、10,000以上の機関が英語力の証明として認定しており、年間350万人以上の人が海外留学の英語力の証明や、アメリカ・イギリス・オーストラリアなど、英語圏での就労や移住申請のため受験しています。
IELTSのアカデミックとジェネラルって何?
IELTSの試験には、「アカデミックモジュール」と「ジェネラルトレーニングモジュール」の2種類があります。
どちらを受験するのかは、受験者の目的によって変わります。
一般的には、
- アカデミックモジュール:海外の大学への入学、英語圏で医師や看護師の申請をする方
- ジェネラルモジュール:英語圏での研修や移住の申請
とされていますが、どちらを選ぶ必要があるかは提出先へしっかり確認しましょう。
もし、アカデミックを受験して必要なスコアをもっていれば、移住の申請にも使えるよ!
IELTSの主催者はBritish CouncilとIDP
ちなみに、IELTSの試験には、イギリスの団体であるBritish Council主催とオーストラリアの団体であるIDP主催のものがあり、日本で運営している団体も異なります。
- British Council主催の試験⇒日本英語検定協会による運営
- idp主催の試験⇒JSAF(日本スタディアブロードファンデーション)、北九州予備校、札幌テストセンター、バークレーハウスが認定試験会場となり運営
どっちかの試験が簡単だったりしないかな?
主催者は違いますが、試験内容や受験料は同じ。
異なるのは、受験料以外の費用、試験会場や申し込みの締め切りまでの期間です。
>> IELTSはIDPの方が難しい?British Councilとの違いとは?
IELTS(アイエルツ)の受験料は高い!
IELTSの受験料は、British Council(英検)主催とIDP主催どちらもペーパーテストの場合は25,380円。
コンピューターで受験する場合は26,400円です。
TOEICの受験料に比べると4倍くらいの値段なので気軽に受けられる試験とは言えないけど、1回の試験に今までの成果をぶつけよう!
IELTSの有効期限は?
IELTS公式の成績証明書(Test Report Form)には、総合評価としてのオーバーオール・バンド・スコアと各パートそれぞれのバンドスコアが表示されます。この結果は筆記テスト実施日より2年間有効となっています。
日本英語検定協会
TOEICや英検なども同じですが、IELTSスコアの有効期限はテストを受けた日から2年間です。
もし、2年を過ぎてしまったらもう一度受験し直す必要があるので、提出日から逆算して2年以内に必要スコアを取得しておく必要があります。
IELTSの結果はいつわかる?
英検、IDPのどちらで受験しても筆記テスト13日後の13:00に発行・郵送されます。
なので、スコアシートが手元に届くのは受験してから2週間後です。
IDPの場合は、事前に連絡すれば、発送日に受験者本人のみがIELTSテストセンターで結果を受け取る事ができるよ!
オンラインの場合は、
- 英検⇒筆記テスト13日後の13:00にマイページで確認可能。
- IDP⇒筆記テスト13日後のオーストラリア時間午前12時以降(日本との時差は1~2時間)でテスト結果閲覧から確認可能。
IDPは24時間以内に順次オンラインで発表されるので、ピッタリの時間にオンライン上で確認できるわけではないようです。
IELTSの試験が受けられる会場は?
IELTSの試験会場は英検主催の方が多く、試験日も豊富です。
主催 | 開催地 |
---|---|
英検 | 【全国16都市】 札幌、仙台、埼玉、東京、横浜、長野、金沢、 静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、福岡、熊本 |
IDP | 【主に6都市】 札幌、高田馬場、市ヶ谷、大阪、福岡、北九州など |
IDPでは、英検にはない地域(山梨・長崎など)が受験会場となる事もありますが、数か月に1回などかなり少ない頻度での開催となっています。
IELTSの試験内容と試験時間
IELTSの4技能(W, R, L, S)それぞれの試験内容を見ていきましょう。
アカデミックモジュールとジェネラルモジュールどちらも制限時間は同じですが、ライティングとリーディングのみ試験問題が異なります。
以下が大まかな流れになります。
ライティング
ライティングはどちらのモジュールでも問題数は2問。試験時間は60分間です。
タスク1・2に分けられ、タスク1は150単語以上、タスク2は250単語以上で解答する必要があります。
出題される問題は、ジェネラルとアカデミックで違った内容になります。
アカデミック
アカデミックモジュールのライティングタスク1では、グラフ・表・図などの情報を読み取り、150単語程度で客観的にまとめ、15分以内を目安に書き終えます。
具体的な問題内容としては
- 海外留学生がお金を何に使っているかをまとめた円グラフ
- 博物館の来場者の推移が記載された表
- チョコレートができるまでの手順が記載された図
などがあります。
タスク2ではエッセイを250単語程で目安として、残りの45分以内で書き終えます。
根拠や例を用いて、聞かれている事に対しての解答を網羅するように意見を述べていきます。
過去に出題された題材としては、
- 学校における体育の授業は必要かどうか
- 女性が兵役に就くことに対しての意見
- 公共交通機関と高速道路のどちらを発達させるべきか
などがあります。
アカデミックのライティングに関して解説している記事も参考にしてみてください。
ジェネラル
ジェネラルのタスク1では、15分を目安に150単語程度でお題に対しての手紙を書いていきます。
この際に正しいフォーマットで書いていかなければいけません。
内容としては
- 企業へのクレーム
- 友達に向けた招待状
- 商品に対してのレビュー
などがありますが、よく使う単語や言い回しさえ覚えてしまえばそこまで苦労はしません。
タスク2では、与えられたトピックに関するエッセイを250単語程度で客観的に書いていきます。
題材はアカデミックと比べて比較的優しく、
- 映画館が減った理由
- 携帯電話がもたらす影響
- ラジオや新聞、テレビなどのメディアごとによる影響力
このような内容について記載していきます。
アカデミックとジェネラルいずれにしても必要単語数を満たし、聞かれている内容にしっかり答えることが重要になります。
リーディング
リーディングもどちらのモジュールも試験時間は60分間で問題数は40問。
与えられた時間で文章を読み、選択問題や穴埋めなど様々なタイプの設問に答えていきます。
リーディングの試験もアカデミックとジェネラルでは出題される内容が異なります。
アカデミック
アカデミックは2000-3000単語からなる3つの文章を読んで設問に答えます。
本、新聞、専門書などからの引用でトピックは多岐に渡り、医学や薬に関連したトピックもよく出ます。トピックによってはバックグラウンドがある人は比較的簡単に解けたりしますが、専門用語も多用されており、自分が精通していない分野などはかなり難しく感じるかもしれません。
アカデミックのリーディングで7.0のスコアを取りたい場合は30問の正解、6.0の場合は、23~26問の正答が必要になります。
ジェネラル
ジェネラルも3つのセクションで構成されていますが、アカデミックの学術的な内容と比べると、より日常生活に関連した内容になります。
- セクション1は広告などの短めの文章を2つ読み、その中から適した回答を探します。
- セクション2はビジネス、職場に関するもの。
- セクション3では2000~3000単語で書かれている文章を読んで設問に答えていきます。
ジェネラルは比較的やさしい単語が使われており、難易度が低いのでスコアに対しての正答数がアカデミックよりも多く必要になります。
例えば、ジェネラルで7.0のスコアが必要なら34~35問、スコア6.0なら30~31問の正解が必要になります。
リーディング対策は以下で詳しく解説しています。
リスニング
リスニングは試験時間が合計40分。
ジェネラル、アカデミックと同じ内容のテストになります。
30分間問題が流れ続け、残り10分で答案用紙に書き写していきます。 4つのセクションで構成されており、計40問の設問があります。音声が2回流れることは無いので1回で確実に聞き取ることが重要です。
各セクションは以下のように分かれています。
- セクション1:ホテルの予約などの2人の人物による会話
- セクション2:1人の人物による地域や施設などの説明
- セクション3:複数(最大4人)の人物の課題についての話し合いや議論
- セクション4:1人の人物による学術的テーマに関する説明
セクション4に関してはかなり専門的な内容になるので単語力が必須になります。
- 地球上に雨が降る仕組み
- 光合成の説明
- 過去の発明や発見に関する事
といった内容が出題されました。
スピーキング
スピーキングは3つのパートに分かれており、1人11~14分程度で試験官と1対1の試験になります。
受験者全員が受ける質問はジェネラル・アカデミック共通ですが、出題はランダムのようです。
試験官がする質問に対して、ある程度の長い文章で理由を含めながら解答していくので、ほぼ一人で話し続けているような感じになります。
試験官はレコーダーで会話の内容を録音していますが、不正防止や再採点に使用するためであり、ほぼその場で採点されます。
スピーキングの際に採点基準となるのが
- 流暢さ
- 語彙力
- 文法
- 発音
の4つになります。
発音がとても良くても簡単な単語のみの短い文章で解答すれば高得点は狙えないということですね。
採点基準をよく理解し、それにあった対策をしていくことが重要になります。
3つのパートはそれぞれ
- 個人的な質問(家族や生まれた国、趣味など)
- 1分間で3.4個の質問について構想を組み立て、その後2分間のスピーチ
- パート2のトピックに、関連したディスカッション
について質問されます。
話す内容よりも一貫性や理論的かどうか、さまざまな文法や表現が使われているかが重要になります。
苦手な人も多いスピーキングですが。コツを掴めばスコアを取りやすいと言えるでしょう。
IELTSの対策方法は自分に合ったモノを選ぼう!
IELTSのテストについては分かったけどどうやって勉強したらいいのかな?
IELTSの対策方法はいろいろなものがありますが、絶対に必要なのはIELTSの参考書ではないでしょうか。
どの位の英語力からIELTSを学習し始めるかにもよりますが、TOEICと出題される単語の傾向が違うのでIELTS用の英単語の本はあったほうが便利です。
>> IELTSおすすめ参考書6選!【圧倒的に効率を上げるパート別対策本】
本を持ち歩くのが面倒、外出先でスキマ時間に学習するなら、IELTS対策に使えるアプリが便利です。
ただ、日本語で解説されているアプリはほぼないので、まだ英語に自信が無い方には効率が悪いでしょう。
IELTSの学習を進めていくと、独学ではあまり伸びないセクションが出てきます。
それは、ライティングとスピーキング。
文法の簡単なチェックは無料ツールでもできますが、よりネイティブに近い表現を身につけるためには、英文添削が必要になります。
いろいろな方法がありますが、テスト前に利用したいのは、オンライン英会話。
日頃から利用して英語を発する事や聴く事に慣れるのももちろん効果的です。
時間が取れないという方はテスト直前だけでもオンライン英会話でスピーキング対策をしておくべきでしょう。
IELTSの対策ができる講師がいるオンライン英会話の方が効率よく練習できます。
おすすめは、ベストティーチャーのオンライン英会話【IELTS対策コース】です。
最後に::IELTSの試験内容は難しめだけど世界で通用する英語試験!
IELTSのさまざまな疑問について解説してきました。
内容まとめ
- IELTSは世界で使える英語力証明
- 英検・IDPによる主催がある
- ペーパーテストの受験料は25,380円
- 結果は2週間後に発表
- スコアは2年間有効
- テストは9点満点で試験内容は以下の通り▼
問題数 | ライティング:2問 リーディング:40問 リスニング:40問 スピーキング:数問(受験者による) |
試験時間 | 合計2時間45分 ライティング:60分 リーディング:60分 リスニング:40分 スピーキング:11~14分 |
英語を使う上で必要な技能全てをテストするので、難易度としてはかなり難しく感じ、またポイントを上げていくにも時間がかかります。
しかし、IELTSを学習する事で総合的な英語力を伸ばす事ができ、海外でのチャンスも広がります。
目標スコアは簡単に取れるものじゃないけど、自分に合った対策をして効率よくスコアアップを目指そう!
【IELTSに関する最新情報は以下の公式サイトでご確認ください。】