このページでは新人看護師から復職者まで臨床現場ですぐに使えるおすすめの本を紹介しています。
看護師に必要な知識は膨大な量ですが、その中でも私が看護師として働いていた時に特に知りたかった分野や苦手意識があった分野は本でひたすら勉強しました。
今はネットで調べるという手もありますが、やはり専門的な職種の場合はいくらネットで調べてもそこまで詳しい情報や解説は見つけられません。
今回は4つの分野に絞って、それぞれすぐに現場で使えるオススメできる本を紹介していきます。
心電図を勉強したい人にオススメの本
心電図の読み方パーフェクトマニュアル
- ある程度の心電図についての知識がある人
- 看護師2年目以降の人
- 家で時間をかけて勉強できる人
この本はページ数が365ページととても内容が濃く、初心者向けではありません。しかし理論的に書かれており、心電図の波形を見るべきポイントが丁寧な図と共にまとまっているので思っているよりも難しくはないと思います。
実際に起こりえる心電図の波形と解説が載っているので、普段出くわす見慣れない心電図と比べることができます。職場に置いて、自動判読の分からない事が出てきたらその都度波形を見比べて…という使い方が向いていると思います。
この本で解説されている心電図異常はほとんどのケースを網羅しているので、心電図を読むのが苦手、またはこれから勉強していきたいという方には実践で使えるオススメの本です。
しかし看護師1年目の子は配属された科によるとは思いますが、内容が深すぎるので絶対に持っておかないといけない本ではないでしょう。1年目の人や、心電図を読むのが苦手な人に関してはもう少し簡単な本から入っていくといいと思います。
看護に活かせる心電図ノート
- 心電図が苦手な人
- これから心電図について勉強していきたい人
- やる気のある看護学生
この本の大きな特徴は看護師が解説し、書いているという点。他の心電図に関しての本は多くが医者によって書かれているために、ところどころに難しい箇所が存在します。心電図を学ぶ上で看護師が困ってしまう事は
- 解剖学や生理学など基礎医学の学習不足
- 臨床活用が看護師目線で無い為に分かりずらい
ということだと思います。しかしこの本は看護師目線で心電図について書かれているために、難しい表現や用語なども分かりやすく噛み砕かれて解説してあります。そして他の本には載っていない内容としては
- 波形を見て看護師としてできることは何か。
- その波形から何を読み取れるのか。
- どのような行動が適切なのか。
- どのように報告したらいいのか。
これらが分かるようになります。
さらに丸暗記に重点を置いているのではなく、理解を深めるという事に重点を置いているのは、これから実践で心電図を見る機会が増えるであろう看護師さんにとって非常にオススメの本と言えます。
検査値を勉強したい人にオススメの本
看護師のための早引き検査値・パニック値ハンドブック
- 検査項目がありすぎて分からない人
- 基準値から逸脱してるけど何が起こっているのかよくわからない人
- そもそも何のために検査しているのか分からない人
- 新人看護師
看護師は、患者さんの訴えや症状、検査データをふまえて病態を把握し、その状態に適した看護を提供する必要がありますがこの本は臨床で行われる検査についての
- 目的
- 基準値
- 主な疾患
- ケアのポイント
がカラーでわかりやすくまとめられています。医師に報告すべきパニック値はもちろん、尿・便検査、血液一般検査、血液生化学検査、血清酵素検査がそれぞれ章ごとに分かれ、ハンドブックタイプの書籍でNo.1の検査数を掲載しています。
簡潔にまとめられていて読みやすく、幅広く検査値カバーされているので持っていると現場でとても役に立ちます。しかしポケットに入れて持ち歩くには少し重いです。
臨床検査データブック
- 分からない事があったらすぐに調べたい人
- より実践的な解説を求めている人
膨大なページで構成されている辞書的な本です。異常値、データの読み方から薬剤影響まで多岐に渡って細かく書いてあるので、これ一冊があれば全ての情報を網羅できると言っても過言ではない検査値判読マニュアルです。
2年に1度改訂され常に最新の情報が追加されており、最新の19-20年版では検査法の感度・特異度、JCCLS共用基準範囲、食物・サプリメントの影響などが載っています。
細かい構成によって
- パニック値
- 異常値のでるメカニズムと臨床的意義
- 見逃してはならない異常値
- 関連する検査
- 薬剤の影響
- 患者指導
など知りたいことがほとんど載っている本で、この一冊があれば検査データだけではなく異常値のでる仕組みや薬剤の影響、患者指導まで深く理解することができます。しかしながら看護師1年目の人には内容が重すぎるので買う必要はないかと思います。
看護技術を勉強したい人にオススメの本
ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術
- 新人看護師
- 勉強したいけど難しい文章は苦手…な人
- すぐに実践で役立つ看護技術を勉強したい人
とにかく物凄い見やすい本で、難しい文章が苦手な人や看護技術はどんなものか分からない看護学生さんにも間違いなくオススメできる本です。
全体を通してイラストがメインで
- 輸液・シリンジポンプの操作
- 血糖測定
- バイタル測定
などの新人看護師が覚えておいて損はないポイントが解説してあります。
先輩看護師に聞かれるポイントというこの本独自の解説もあるので、この本を見て勉強しておくと先輩や同僚におっ!?と思われるかもしれませんね。周りの同期に一歩差をつけたいなら持っておくべき良書だと思います。
ちなみにこの本は1年目バージョンだけでなく、2年目バージョンも出ているのでオススメです。
ビジュアル臨床看護技術ガイド
- プリセプターや復職者
- 新人看護師
臨床で必要な最新の看護技術51項目が収録されています。知識や技術を学び直したい人、写真が多くエビデンスがちゃんと書かれているので教育にも使いやすく新人さんが手技を確認するのにも使えます。しかし現在働いている看護師さんには新しい発見が少ない本かもしれません。
時間が経つにつれて様々な変化が看護技術においても見られます。現役で働いている方は常に技術のアップデートしているのでそこまで意識することはありませんが、3年、5年とブランクが開いている方にとって空白の時間を埋めるのはそうそう簡単な事ではありません。
この本は難しい文章で解説されているわけではなく
- 大まかな手順
- 細かい作業部分
- 必要なアイテム
- 手技
などが写真を使って綺麗にまとめられているので、文章だけじゃイメージできない!という人にはぴったりな本だと思います。数年のブランクなんて気にならないくらい、スッと頭に入ってきてくれます。看護師として復職を考えているなら絶対に持っておきたい本の一冊ですね。
薬理、病態・薬物治療を勉強したい人にオススメの本
今日の治療薬
薬についてサクッと調べたい人
久しぶりに看護師として復帰する人
医療従事者であれば知らない人はいないという、正にこれを買っておけば間違いないと言える本です。1年ごとに改訂版が出るのですが、毎年個人で買い替える必要はないと思います。3年ほどで買い替えるのが一般的らしいですが、今はインターネットで何でも調べれるので必須かと言われたらうーんという感じです。
しかし電子書籍版に関してはかさばる事も無く、持ち運びも便利なので薬の特徴をすぐに調べたい人は持っておいても損はないですね。
久しぶりに看護師として復帰するという方は、最新版今日の治療薬を持っておくとスムーズに職場復帰ができますね。
薬がみえる
- 薬に対して苦手意識がある人
- 医療従事者全般
薬の作用機序や疾患を関連づけて理解できる薬理本ですが、薬理だけでなく病態や治療についてもイラストが多くわかりやすく解説されていて実践でも使いやすい本です。
1冊で完結ではなく、4冊に分かれているので自分の必要な分野によって購入することも可能です。
- Vol1→神経系、循環器系、泌尿器系の疾患に対する薬の解説
- Vol2→免疫、血液、糖尿病から皮膚の疾患まで幅広く解説
- Vol3→消化器、呼吸器系、感染症や悪性腫瘍に対する薬の解説
- Vol4→薬理学・薬物動態学の基礎からすぐに実践で使えるポイントまで解説
よく薬理の本にはただ薬物を解説するだけという本も珍しくありません。学校の教科書などもこのような文章だけで解説されているという本が多いわけですが、この本は自分の知りたい事をピンポイントで探すことができるのはもちろん、病態・薬物治療も載っているので今まで分からなかった薬と病気の関係性を繋げて理解する事ができます。
疾患ごとに薬物療法の意味をこれまでの本に無かったほど明確に解説しているのに加え、まとめの表がある事で違いや特徴を一発で確認することができます。
このまとめのページがある事で個々の薬物を探す手間が省けるのでかなり楽ですよね。
まとめ
今回は分野別に見る看護師に役立つ本を紹介しました。勉強というのは決して楽しいものではないですが、自分の隙間時間に少しでも知識を蓄えることで師長さんや先輩、ドクターにコイツはできるな…と思わせることができますね。
周りに少しでも差をつけたい方や、看護師としてのキャリアを磨いていきたい人はこれらの本を読まないと損するかもしれませんよ。今回紹介した本はそのくらい分かりやすく、自信をもってオススメできる本です。