検疫官って看護師の資格でなれるんだよね?どんな仕事内容なんだろう?
国家公務員である検疫官看護師の仕事内容や年収について紹介するよ!
こんな人におすすめ
- 検疫官看護師の仕事内容や年収が知りたい
- 看護師として病院以外で働きたい
- 看護師の資格を活かして国家公務員になりたい
看護師の資格を活かして病院以外で働けるのが検疫官。
この記事では、空港や海港で働く【検疫官看護師】の仕事内容や給与について解説していきます。
※国家公務員の看護職には看護系技官もあるので興味のある方はご参照ください。
検疫官とは?
検疫官とは、検疫場や空港・港湾で検疫を行う職員の事で厚生労働省所属の国家公務員になります。
検疫とは:病原体や有害物質が国内や海外に拡がるのを防ぐため、地域に出入りする人や物を検査し、必要な処置をとることを指します。
検疫官の中には、看護師の他に、事務官などの行政職や医師、食品衛生監視員の職種があり、それぞれの役割を担います。
勤務地は、北海道から沖縄まで、全国110箇所の空港と海港です。
※空港内クリニックで働く看護師もいます。
実は看護師が検疫官の一員として働き始めたのは最近のことで、2003年に世界的にSARSが流行した際に医師・事務官だけでは混乱が抑えられず看護師も検疫官として採用されるようになりました。
2020年はコロナウイルスの爆発的な世界流行もあり、検疫官として働く看護師の需要が高まっています。
空港はたくさんの人が出入りするので。、限られた時間内でアセスメントし、感染が確認された際に落ち着いて対処できる能力が求められます。
検疫官看護師の仕事内容
検疫官看護師の業務内容は以下の5つに分けられます。
- 検疫業務(港湾、空港)
- 衛生検査
- 船舶衛生検査(港湾のみ)
- 健康相談業務
- 予防接種業務
詳しい仕事内容を見てみましょう。
① 検疫業務
港にて出入国する人をサーモグラフィーなどを通して発熱がないかチェックしたり、症状や健康上の不安がある人を問診して感染症との関係を調べます。
普段あまり意識していませんが、空港にはたくさんの検疫官の人が感染症予防のために働いています。
② 衛生検査
蚊やねずみなどの生き物が空港や港から持ち込む感染症について検査をします。
蚊を媒体としたデング熱やマラリア、ねずみによるペストなどは一般にも広く知られていますが、この重大な感染症を予防するための検査も検疫所で行われています。
これらの検査の初期段階では看護師や医師が担当するわけではなく、検疫官の一般職が担当することがほとんどの様です。
③ 船舶衛生検査
海港で働く人のみですが、国を行き来する船の衛生検査も行っています。
具体的には、船内で害虫が発生していないか、食料や飲料水が適切に管理されているか、消毒機材が整備されているかのチェックをします。
④ 健康相談業務
症状や感染の可能性がある人に対して必要な検査を行い、適切な医療機関を紹介します。
渡航者に周知が必要な感染症についての情報や予防対策のパンフレットを渡すことも検疫官の仕事です。
保健機関、各国の大使館や医療機関と連絡を取り合い、感染症に関する情報収集を実施。感染症の拡大防止のために検疫の訓練や病院搬送の訓練、防止策のアイデアを関係機関と協力して行うといった業務もあります。
⑤ 予防接種業務
感染リスクが高い場所への渡航前に、予防接種についての相談や予約を行うのも検疫官の仕事の1つです。
予防接種による副作用が出た場合の対応の周知も行います。
検疫官のメリット・デメリット
検疫官は国家公務員として検疫所で働く事になるので様々なメリットがあります。
検疫官のメリット
- 書類選考と面接試験に合格すれば終身雇用
- 休暇が取りやすい
- 順調なキャリアアップ
通常公務員として働く場合は、公務員試験を受け福利厚生や終身雇用などの安定した生活を得ることができます。
しかし検疫所で働く看護師の場合は、書類選考と面接試験のみ。
国家公務員は、休暇が取りやすく勤務年数に比例して給料も増えていくというメリットがあります。
退職金も民間の病院と比較すると高い傾向にあるので安定した仕事を得たい看護師には魅力的な職場であると言えます。
検疫官のデメリット
- 全国各地への転勤
- 感染症のリスク
検疫官として働くにはデメリットもあります。
無事採用されても、勤務地は選べず全国各地の空港や海港に配属され、2~3年ごとの転勤があります。
様々な地域や規模の異なる検疫所で働くことによって知識や経験は豊富になりますが、家族がいる人は転勤について理解してもらう必要があります。
目に見えない病原体やウイルスに対処しなければならない検疫官。
病原体を水際で食い止め、混乱が起こらないようにするやりがいのある仕事ですが、防護服を着用していても感染のリスクはないとは言い切れません。
検疫官の給料・年収
初任給は約19万円。年齢・勤務年数による昇給があります。
年2回のボーナスもあり、賞与金額は計 4.3ヶ月分(前年度実績)平均年収は約560万円にもなります。
諸手当については、人事院PDF 国家公務員の諸手当の概要で閲覧できます。
検疫官になるには
国家公務員でやりがいのある検疫官ですが、応募するには看護師免許の他に3年以上の臨床経験が必要です。
検疫官の応募条件
- 日本国籍を有する方
- 看護師免許を取得している方
- 応募時点で、3年以上の臨床経験(医療機関)のある方
- 普通自動車免許を取得している方 ※業務上、普通自動車を運転する場合有り
民間の病院と違い、様々なケースを想定して業務や検査を行う必要があるので幅広い知識や臨床経験が役立ちます。
検疫所には外国人も訪れるため、日本語以外の言葉が話せることはメリットになります。検疫所には主要な言語である英語や中国語などで書かれたマニュアルがあるので必須ではありませんが、採用試験を受ける際にはアピールにもなりますね。
検疫官の選考方法
検疫官の選考方法は、書類選考と面接試験になり、書類審査に通れば面接試験を受ける事ができます。
応募に必要な書類は以下の3つです。
- 履歴書
- 看護師免許証写し
- 小論文(感染症対策についてなど)
詳しくは厚生労働省検疫官(看護師)採用情報をご確認下さい。
検疫官の求人は不定期で人数も決まっていないので、募集されている時の応募が必須です。
検疫官看護師の仕事内容まとめ
検疫官として働く看護師の仕事やなり方までを解説してきました。
検疫官看護師まとめ
- 港で感染症が持ち込まれないよう入国者の健康状態をチェック
- 健康相談や予防接種に関する業務を行う
- 感染症に関する情報取集や訓練を行う
- 初任給は低めだけど国家公務員の仕事
検疫官は、感染症を食い止め、人々を感染症から守る役割をしています。
国の感染症対策に興味関心がある人はもちろん、冷静に物事に対処できる人・観察能力のある人は検疫官に向いていると言えます。
検疫官は看護師が国家公務員として働ける数少ない職種ですが、安定した生活や福利厚生などを考えるとやはり魅力的な職場です。
看護師として国家公務員の仕事に興味があるなら事前に情報収集が必須です。
転職サイトからの非公開求人や最新情報も活用していきましょう。